メイクセラピーは、高齢者の心のケアに効果を発揮します。女性の高齢者は、年齢を重ねることにより、外出する機会が減り、次第に部屋に閉じこもるようになりがちです。外出が減り、人とも接しないことで、いつしかメイクをする気力をなくしてしまいます。ですが、メイクをすることにより、肌には血色が戻り、表情が生き生きとして見えます。
鏡で明るい表情になった自分を見ることにより、塞ぎがちだった心も、自然と明るくなります。気持ちが明るく前向きになることにより、外出をしたり、人とコミュニケーションをとりたくなったりと様々な変化が期待できるのです。また、女性としての自信を取り戻すこともできる他、認知症にも効果を発揮するなどメイクセラピーの介護における効果は今後も期待されることでしょう。
また、メイクセラピーは女性だけに効果があると考えている人もいるかもしれませんが、そうではありません。男性も、スキンケアや顔のマッサージをすることにより、顔の筋肉が刺激され、表情をやわらげる効果があります。表情筋は脳への刺激にも繋がり、前向きな思考を作り出したり、過去の記憶を引き出す効果も期待できます。また、周囲から「明るくなった」、「若々しくなった」と言われることにより、気分が上がり、結果的に心のケアへと繋がります。メイクセラピーは、心理カウンセリングの手法を取り入れているメイク方法のため、気分が下がり気味の高齢者の心を、男女問わずケアする効果が期待できるのです。